岡山中学校・岡山高等学校

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平成29年度1学期始業式式辞

2017/08/29

平成29年度一学期始業式 式辞

 

校長として勤務4年目を迎えます。今年は、岡山中学校・岡山高等学校の「教育の原点」に立ち返って、本校の教育を進めていきたい。そこで、今日は、本校の「教育目標」の話をします。

岡山中学・岡山高等学校の教育目標は「他人に優しく、己に厳しく、勉強はたゆみなく」というものです。この言葉は今から22年前、平成7年の1学期始業式において第4代校長の佃幸男先生が述べた言葉に始まります。22年目の真実ということになります。

「他人に優しく」というのは「他者への思いやり」のことです。人間は孤独なもので最終的には自分一人で生きて行かなければいけない。孤独だからこそ、人間は自分を取り巻く他者の存在を大切にしなければ生きていけない。他人を不愉快にする「いじめ」なんかは、人間が生きて行くうえで最低の行為に他なりません。

「己に厳しく」というのは、なすべきことを自分で考え、自らを厳しく律することができなければいけないということです。本能の赴くままに行動するのではなく、どう振る舞うべきかを考えながら行動すべきだということです。このことは、朝、人に会えば挨拶ができているのか、校内でお客さんに会えば会釈ができているのか、本校の生徒にふさわしい服装であるのかということです。一言でいえば、「端正な服装、知的な言動」を日々心掛けよということです。

「勉強はたゆみなく」とは、勉強の努力を継続しなさいということです。中学生になっても、ときには高校生になっても「ひとり勉強」が持続できない人がいます。それは小学生に時にやった「他人から教わる勉強」から抜け出せていないひとです。勉強というのは蝸牛の歩みに似ています。一見、動いているのかどうはわからないほどゆっくりだけれど、一日たてばずいぶん前に進んでいることが分かる。勉強というものはそういうものです。

この3つの教育目標は相互にどういう関係になっているのか考えたことがありますか?佃先生にお尋ねしたとき、彼はこう言った。「他人に優しくするためには、なによりも己に厳しくしなければいけない。己に厳しくするには、勉強をたゆみなく行う持続力を身につけなければいけない。だから、高校生にとって最初に取り組むべきは「勉強をたゆみなく」である」とおっしゃいました。「他人に優しくするために、己に厳しくあるために、貴方方はなによりもまず「勉強はたゆみなく」を行わなければいけないというわけです。

「追い詰められた場所にこそ、大きな飛躍がある」

 将棋十九世名人の羽生善治氏の言葉である。天才棋士として登場した若き日の羽生氏をメディアはこぞってとりあげた。しかし、羽生名人自身は、周囲の興奮をよそに棋士の道をひたすら淡々と歩み続け、タイトル獲得合計97期、優勝回数44回と押しも押されもせぬトップ棋士。戦いの修羅場を体験した彼の言葉だからこそこの言葉は重い。「追い詰められた場所にこそ、大きな飛躍がある」

 勉強も同じではありませんか?高校3年生の諸君。「勉強しても、いくら頑張っても成績が伸びない。大学入試まであと1年しかないのに…。泣きたくなる。焦りが心の中に生まれてくる」どうやって力をつけるか?ギリギリまで追い詰められて初めて学力は伸びる。余裕があるうちは伸びない。「追い詰められて初めて飛躍が生まれる」本校の校歌の中に「己を鍛え また磨き」という言葉がありますが、自分を痛めつけるまで行かなければ飛躍などできないことを羽生名人の言葉は示しているようです。

羽生名人の長年のライバルである森内元名人は、「羽生さんの凄さは、周りのレベルも上げつつ、自分のレベルも上げるところにある。勝負の世界にいながら、周りとの差を広げることだけにこだわっていない」と語っている。自分と周りの友人たちとの成績の差に一喜一憂するのではなく、周りのレベルを上げつつ自分のレベルを上げようとする羽生さんの姿に私は感動する。つまらない見栄に生きるより、自分を含めたクラスメートの本物の成長を目指して切磋琢磨するそんな一年を過ごして欲しい。 これをもって式辞とする。